嵩高紙(かさだかし)
ちょっと前に、話題となった「嵩高紙」というのをご存知だろうか?

話題の発端は、320万部の大ヒットとなった片山恭一さんの小説「世界の中心で、愛をさけぶ」のヒットの理由のひとつとして、小学館がこの嵩高紙(かさだかし)が使われたことを挙げたことにある。
私が知ったのは、昔の上司から教えていただいたのだが、NHKのニュースや日経産業新聞などでも取り上げられたそうだ。

調べてみると、
「嵩高紙(かさだかし)」とは、繊維の隙間に空気を含んだ紙で通常の紙より軽くて分厚いのが特徴。
しかし、これまでは時間がたつと紙が黄ばんでしまうなど品質に問題があったのだが、
3年前、日本製紙が紙質も滑らかで、変色しにくい紙の開発に成功。
そして現在に至るということらしい。
実際、昨年の市場では、前年比45%増を記録したという。

では、具体的に「世界の中心で、愛をさけぶ」が嵩高紙を使用することでどう変わったのか?
「世界の中心で、愛をさけぶ」の総ページ数は、208ページ。
束(厚さ)を計ると18mm。
これは通常の紙を使用した場合に比べ、20%厚い。そして、3%軽い。
製紙会社と取引する際、枚数ではなく重量で取引するため、この嵩高紙を使用することはコストも削減できるのだ。

読者の目線に立って考えてみよう。
いわゆる読書家が減り、たまに本を読むライトユーザーが増加。
そのライトユーザーが読んでも、適度な厚みのおかげで、スムーズに、あるいはテンポよく読破でき、「あれっ、私ってこんなに読むの早かったかしら、ほほほ」などという軽い錯覚に陥りながら、満足感を得られるのだという。
それが、「活字離れの10代の少女に受け入れられた」と、小学館の執行役員もコメントされている。

ちなみに、綿矢りささんの「蹴りたい背中」や金原ひとみさんの「蛇にピアス」などにも、嵩高紙が使われるらしい。

私も束を出すために、印刷会社さんと話して紙を代えたりしてみたけど、その時聞いた話によると、
紙と平行して、製本する際の粘着剤も進歩しているため、分厚い本も製本しやすくなったし、割れにくくなったという。

本作りって、編集作業はアナログな部分も多いけど、こういった技術に支えられてるんだなとつくづく思った。
もっと、勉強しなくては。
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by y.asd_xxx | 2004-10-14 04:40 | 学び