障害者をテーマにした番組
明け方、テレビをつけっぱなしにしていたら、「あなたと日テレ」という番組が始まった。初めて見たが、日本テレビの番組に対する視聴者からの意見・苦情に応えようという番組だった。

今日は、自閉症児を抱えた家族の物語「光とともに」と、全盲の女の子が持つパーフェクトピッチという能力からピアノ学校の相続争いに巻き込まれてしまう物語「仔犬のワルツ」だ。両番組のプロデューサーも出席し、次のように説明する。

◆「光とともに」

自閉症という病気自体にまだ理解がなく、とかく親がしつけがなっていないと攻められている状況がある。だからこそ、このドラマを通じて、自閉症と言う障害を理解してもらいたいという気持ちで番組を作っている。
制作にあたっては、自閉症の専門医にまず脚本を見ていただき、制作現場においても療法士にチェックしていただき、できるだけ誠実に作っている。しかし、自閉症の症状はさまざまで、主人公の光くんが全ての自閉症を表しているわけではないのでご理解いただきたい。

◆「仔犬のワルツ」

主人公の安部なつみは、全盲の少女を演じるにあたって、撮影前、実際に目の見えない同年代の女の子と何回か話をし、その感覚などについて聞いている。この物語の主人公は、目が見えないという障害を持っているが、パーフェクトピッチという一度聞いたら音を理解できるというすばらしい能力を持っている。この物語のように、障害を持った方の中には、別のすばらしい能力を持っているということは実際にあることで、そういう意味ではリアルなドラマだと思っている。

各局、障害者をテーマにした番組が明らかに増えていると思う。

◆フジ「愛し君へ」…さだまさし原作の「解夏」のドラマ化。主人公が徐々に目が見えなくなる物語

◆TBS「オレンジデイズ」…聴覚障害の女の子を中心とした学園物語

>>>先週放送の「オレンジデイズ」にクレーム

主人公の萩尾沙絵は、将来バイオリニストを約束されていたが、4年前、聴覚を失い、心を閉ざしているという設定だ。

 クレーム1 彼女が友人・茜の就職を期に、大学の就職部を訪れると、
       一言「あなた大変ね~」と言われるシーン

そんなこと言われるというのは信じがたい!というか、それが全部の大学就職部の現状と受け取られると困る!
私は、以前まで障害者の就職情報誌を作っていた。その就職情報誌は十年以上の歴史があり、ほとんどの大学、短大、養護学校等に配布されている。別の部署の担当者が大学訪問もしてたし、私自身も取材に行った。たしかに私が取材に行ったのは、規模の大きな有名大学が多かったが、普通はまず障害者雇用の制度の説明するだろう。
聴覚障害者の就職は確かに厳しいが、働いている人はたくさんいる。
私が取材した企業の中には、社内で手話講座を開講して、手話を理解しようとしている企業もある。
人事でも手話ができる方や、面接まで手話でしてくれるところもある。
人事担当者自身が聴覚障害の方も数人知っている。
社内のやりとりはメールがほとんどだから心配ないと人事に言われ、実際、活躍している人もいる。
そういう現場やそういう人たちに、失礼だと思う。

沙絵が「私って障害者だったんだ」というシーンは、そうだよなと思った。
どんなに自分は障害者と思っていなくても、障害者って突きつけられると言うか、そういう枠組みに割り当てられてしまう瞬間だよな。
私も「自分が障害者と思ったことはほとんどない」と言っていた人にたくさん会った。
めがねをかけている人は世の中にいっぱいいるのに、何級って等級をつけられた人だけ「障害者」と言われるのは

 クレーム2 みんなで小旅行に行き、主人公沙絵が恋をしそうな男友達・結城 櫂に
       この小旅行は「あたしのため?」「同情?」と聞くシーン

何か特別なことをするたびに、自分のためにしているのか?とか同情か?なんて言われたら、正直言って、周りのものはうざくてしょうがないだろう。設定では耳が聞こえなくなって4年とまだ時間が短いし(障害を受け入れるには、人それぞれかかる時間には個人差があるだろうが)、不安になるのはわかるし、そう思ってしまう人もいるだろう。しかし、すべての障害者が常にそういう不安でいっぱいであるわけじゃないし、何より、障害者は悲劇のヒロインになっているというドラマの設定が気に入らない。
障害はあるけど、だから何?くらいあっけらかんとしてる人もいる。
友達を作ること、友達のことを理解しようとすること、友達と楽しい時間を送りたいと思うことに、障害があることなんて関係ないじゃないですか。当たり前のことじゃないですか。
確かに、友達を作ることに、友達を仲良くなることに不安を抱えている障害者は、「そんなことないよ」という友人の言葉にジーンとくるかもしれない。でも、ほとんどの視聴者は健常者で、「あっ、障害者って常にこういう不安を抱えて生活しているんだ」と思わせてしまうことがよくないのではないかと異議を唱えたい。障害者との接し方に戸惑いを抱く人がますます増えるんじゃないかということが心配だ。

先に述べた「光とともに」のプロデューサーは、自閉症を理解してもらうために番組を制作していると言っていた。
「オレンジデイズ」も聴覚障害者を理解してもらうため、と思って制作しているのであれば、もう少し考えるべきだと思う。
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by y.asd_xxx | 2004-05-16 08:26 | つれづれ