仕事は任されてこそ
昨日、営業の進行管理に新人さんが入社してきた。
派遣さんである。

彼女を囲んで、みんなでランチに出たときのこと。
彼女は某大手出版社で雑誌の進行管理をずっと担当していたという。
でも、制作内の進行管理で、デザイナーさんやライターさんとのやりとりがほとんど。営業とやクライアントとのやりとりの経験は全くない。
今回、彼女が担当するのは、営業の進行管理。つまり、社内営業や代理店対応、社内の編集、制作会社とのやりとりが主になってくる。彼女は「経験がないので不安」と言いながらも、スケジュールを一目見て、「タイトですね」と言ったところを見る限り、スケジュールもちゃんと読めるし、慣れればかなり戦力になるのではと期待してしまう。
しかも、私よりと2つ年上だし。

派遣で1年ほど働いている子は、年上の彼女に言う。
「うちは社員が働かないから、派遣やバイトが大変な思いをする。
 大変な思いするのが嫌で社員の分まで"やってあげる"と
 社員は図に乗って"やってくれるもの"と勘違いして、ますます何もしない。
 自分の首絞めるから、ちゃんとどこまでが自分の仕事って線引きしなきゃだめだよ

私は、入社したてのやる気になっている人に、
なんでこんなこと言うんだろうと思うと同時に、
言われた新人さんが心配になった。

「スケジュールはタイトなの。
 そもそもスケジュールを切った方が
 スケジュールの切り方をわかっていらっしゃらないので、
 次回は、ちゃんとしたスケジュールをお願いしたいですね。
 あと、社内の方はメールをご覧にならない方が多いので、
 口頭で確認して、文書で残しておくといいですよ。
 代理店さんは、口頭だとトラブルので、文書で明文化すると説得力出るし、
 結構納得してもらえますよ。
 なんか、困ったこと、うまくいかないことがあったら、おっしゃってください。
 私が動きますから」
とアドバイス。新人さんを励ました。

私は、社員の仕事、派遣の仕事と線引きすること自体に疑問を感じる。
かつて、私が26・7歳のころ、派遣でわかったようなふりして現場を仕切っていた。
でも、その後社員になってしばらく悩んだことは、
自分は、社員じゃないからということを言い訳に経験していなかったこと、
逃げていたいたことがたくさんあったということだった。
誰にも仕事が振れない。
自分しかやる人間がいない。
やったことがないなんて言い訳通用しない。
そういう中で仕事をして初めて、派遣で限られた仕事で満足していた自分の愚かさ、
無能さを知ったものだ。

かつての上司はよく言っていた。
「制作は基本的に1人で全部やるんだよ。
 最後は全部自分でやらなくちゃ、だめなんだ」と。
だから、1つの媒体を全員で何かをやるというのではなく、各人1つの媒体(できる人間は複数)の担当制を敷いていた。
もちろん、迷うとき、困ったときはアドバイスしてくれるが、
やるのは自分。
トラブルやクレームになったときは、表に出てきてくれて一緒に頭下げてくれるけど、
ほとんどは任せてくれた。そして、いっぱい経験させてくれた。
そしてそれが今の自分であり、そういうチャンスをくれたことをとても感謝している。

派遣だからと言って、責任ないから、責任取りたくないからやらないというのは、
私の中にはない。
派遣だろうと、何だろうと自分が任せてもらえるならそこでベストを尽くすだけ。
ここでしかできないことを経験できる、
知らないことを学べるチャンスを逃したくはないと思う。
できることだけやるんじゃ、つまらないし、飽きちゃうのだ。

責任を自分がとるべきか、上司がとるべきかは、社員である上司の判断に委ねている。
私自身、自分で責任をとるつもりでやっているが、
実際は上司が責任とってくれているというだけのことだ。

というか、責任を取ることがどういうことか、どこまでは自分がやらなければならないか、
上司の立場もわかるから、責任取れない分、できるところまでやりたいと思う。
上司に尽くしている、媚を売っているつもりはない。
現に、私が近づくと、上司は「また、詰められるのか?」とビクビクしているので、
扱いづらいなとか、怖いなとか、気が合わないとも思っているのかもしれない。

でも、私は上司が嫌いではない。
仕事は、なかなか切羽つまらないとやってくれないけど、できないとは決して思わない。
むしろ、知識も経験もある方と尊敬している。
指示はあんまり出さない代わりに、判断が早い。
判断してくださいと言ってから見てくれるまでは時間がかかるが、
見たら早いのだ。
これはアルバイトや制作会社に支持を出す私にとって、これは本当に助かる。

上司のせいで、大変な思いをしたこともあった。
でもそんなときは、後でたっぷり愚痴を聞いてもらう。
愚痴を聞くのも上司の仕事だと思って聞いてもらう。
愚痴は、本人に面と向かって言ってすっきりするのが私流だ。
そして、上司は笑いながら「ごめん、ごめん」「大変だったね」と労いの言葉を発する。
それで、私の不満は水に流す。

上司と私の関係は、傍から見るとどうか知らないけど、
けっこううまくやっていると思う。
上司も、私のこと、評価はしてくれているみたいだし。

というか、評価されて、仕事を任されないと、
自分は成長できないし、ここにいる価値がないのだ。
だから、仕事の線引きなど、上からされない限りしないだろう。

編集の職場は、離職率が高い。
私は原因として以下のようなものが挙げられると考える。
1.成果や働きぶりが数字で現れるわけじゃないから、評価されにくいから
2.ものづくりはこだわりの世界。つまりやればやるだけ形に残る仕事。
  こだわりが持てなければ、単にその作業は過酷な作業でしかないから
  また、どんなにやりたくても、体力がついていかないこともあるから
3.編集の仕事をやる人は、好奇心旺盛でないと勤まらない。
  好奇心旺盛ってことは、いろいろ目移りして、
  自分の志向により近い業界
  全く別の媒体
  新しいビジネス
  に関わりたくなってしまうから
4.年取ってからずっと仕事があるかという不安があるので、
  独立を視野に入れた、知識・経験の蓄積、人脈形成のため

みんな好きでやっている仕事。
でも、自分の向き・不向き、得手不得手、経験を武器にスペシャルな人材になればいい。
編集の仕事は、職場によって求められるものが違うから、
向き・不向きを理由に私は視野を狭めたくはない。
得手不得手を理由に仕事とか責任とかから逃げたくはない。
いっぱい経験したいし、それをおもしろがっている。
私は、こうして成長したい!


 (……大それたこと言い過ぎたかな。成長してるかな。心配になってきちゃった。)
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by y.asd_xxx | 2004-08-05 03:38 | ふと思うこと