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突然の休刊宣告
休み明けの木曜日。
校了日の前日。

上司である編集長から、1通のメールが届いていた。

「お疲れさまです。

 大変残念なお知らせがあります。

 詳しくは、本日13時に事業部長より伝達がありますが、かなり深刻です。
 それまでは、話をしないよう言われていますので、
 申し上げることができません。

 まったく力不足で、申し訳ありません」

送信されたのは、前日。
編集長は、台割を作るために出社していたはず。
こんなメールを書くためでは決してなかったはずだった。

メールのとおり、午後1時に、部全員参加の会議がセッティングされていた。

上司にメールの真意を確かめるようなことは決して許されない、
そんな雰囲気を醸し出していた。

緊張感を抱きつつ、ただひたすら刻々と時間が過ぎるのを待った。


午後一時。
会議は、普段と違い、薄暗い、重々しい雰囲気のミーティングルームで行われた。
すでに各自の席に資料が配られている。

先日発表になった人事異動に伴い、新しい組織図が記されていた。
事業部長は、新しい組織について、坦々と説明し始めた。

一段落ついて、事業部長が本題に入るといった面持ちになり、全員が息を呑んだ。

「誠に残念ながら、ブックは現在製作中の11月号を以って、
 一時休刊ということになります。
 復刊の予定は今のところ立っておりません。

 すでに次号の営業が始まっていたので、
 申し込みをいただいたお客様には、全てキャンセルということでお願いします。
 この時点から、営業の皆様にはその対応をお願いします。
 突然のことですので、私の方で、クライアント向けの書面を用意しますので、
 営業の方はそれを配っていただいても結構です。
 クレームに発展するようであれば、私が同行します。

 これまでブックに関わっていただいた派遣の方、アシスタントの方について、
 来週、私が直接面談させていただきたいと思いますので、この後残ってください。
 
 今回の号が最後となりますので、最後までプロとして責任を持って仕事をして
 いただきたいと思います」
 
事業部長の報告は、10分程度だっただろうか。
誰も言葉がなかった。

編集長の顔が見れなかった。

席に戻り、じっと座っていられずふらふらしていると、
目の前の席のWEBチームの男の子が、腕をつかみ、無言で「元気出して」と訴えた。
その瞬間、涙が溢れた。
会社を首になったことはあっても、媒体がなくなるのは初めてだった。
悔しくて、悔しくて、寂しくて、寂しくて、泣き崩れた。

そして、来週から私は仕事がなくなる・・・・・・・・・・。
by y.asd_xxx | 2004-11-04 22:59 | 闘ってます