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クレーム対応
営業の若い子が私宛にやって来た。

営「◆◆の店舗の念校で、赤字が直ってないんです。
  どうしてですか?
  xxxさんに、赤字渡しましたよね」

私「何?
  …・・・・・・ん、よく覚えてないけど、
  この赤字の意味は、こう解釈して、こう解釈したから、
  反映してない、・・・と思う。
  だいたいね、
  クライアントの赤字が全部そのまま反映されるわけじゃなくて、
  編集部で統一表記に修正が入るものなの、ね」

営「違いますよ。これはこういう意味ですよ。
  だいたい、ここはウリなんですよ。
  こんなに明確になっているじゃないですか」

私「え~、わかんないよ。
  クライアントには申し訳ありませんとしか、言いようがないけど、
  一気に400件見てるんだよ。この赤字は意味はどういう意味で
  って、解釈が間違っちゃうこともあるでしょう」

営「400件見てるからなんてクライアントに言えないですよね。
  そんなの言い訳にならないですよね」

私「そりゃそうだよ。
  だから、申し訳ないって言ってるじゃん。
  うちのミスだよ」

営「じゃあ、ウェブはちゃんと直ってるんですか?
  おかしいですよね。
  ウェブはちゃんと直ってて、何で本だけ間違ってるんですか?」

私「ルートが違うの。
  まず、営業が回収してきたものは、進行管理が受け取って、
  そのコピーがウェブチームと、制作チームに来るの。
  本来なら、本の内容がフィックスしたら、それをウェブに入力するのが
  一番いいの。だって、本と同じ内容が載るって詠ってるんだもん。
  だけど、時間がないから、途中の段階で入力を始めているの。
  で、ウェブはそのまま入力してる。
  制作は、掲載規定と照らし合わせて、校正して、赤字を入れるの。
  だから、現段階では内容が違うのよ」

営「じゃあ、なんでこういう状況が起こるんですか?」

私「だから、原因は言ってるじゃない。
  ウェブと紙は、校正してるか、しないかの違いで
  掲載内容が、現段階では違ってる。
  クライアントからの赤字が反映されていなかったのは、
  制作の判断ミスで、修正を入れなかった。
  クライアントにはどう言うかは別よ。
  修正漏れです。すいませんって言ったほうがいいかもしれないよ。
  それは、私には判断できないし、責任取れない」

営「だってね、xxxさんに渡しましたよね。
  進行管理は忙しそうだったから、xxxさんに直接言ったほうがいいと
  思っていたのに...」

私「あのね、進行管理が忙しそうだったからって、
  私たちだって、1日に400件回してんのよ。
  じっくり考える余裕なんて、なかったわよ。
  確かに、私は受け取ったし、赤字を見落としたのも私よ。
  でも、私には責任は取れないの。
  それ以上は、編集長に言ってちょうだい。
  編集長だって、全部を見て判断してるんだから」

営「納得いきません。原因と責任の所在を今日持っていくって
  僕は平謝りで昨日行ってきたんです」

私「だから、私には責任取れないの。
  もし、必要なら、謝罪文も書くし・・・」

営「書いてください」

私「謝罪に行けと言われれば、行くけど」

営「来て下さい」

私「それを判断するのは、君じゃなく、編集長なの。
  編集長からの指示がなければ、わたしには判断できないの。
  どれくらい大きな問題で、どのくらいの対応が必要かは
  私には判断できないの」

営「納得いきません」

私「納得いってるか、どうかなんて知らないよ。
  だいたい、本来クライアント交渉をどうするか判断して動いてる
  進行管理に相談したの?」

営「してません」

私「営業の部長に報告したの?」

営「まだ、してません」

私「おかしいでしょ。
  いい。クレームがあったら、まず、進行管理と営業部長に報告相談するもの。
  そして、原因と今後の対策を考えるのは、現場の私と編集長で考える。
  君が調べてなくても、私たちの仕事。
  で、会社として、どう対応するか、営業部長と編集長で判断してもらうものなの」

営「そういうもんなんですか?
  でも、編集長、いらっしゃらないですよね」

私「来たら、確認するわよ」

営「僕が言いますよ」

私「いや、私が報告して、確認とる」

15分かそこらこうしたやりとりをした後、納得しない表情で若い営業は、
席に戻っていった。
疲れた。そして、私が悪いのは認めるが、正直頭来た。
思わず、となりの席のウェブチームの方に、
「私、間違ってます?」
と聞くと、
「進行管理の方、今日お休みなの。営業部長もいないし、編集長もいないし、
 今日クライアントのところに行くって言っちゃった手前、
 どうしていいのかわからなくて、ぶつけたいのよ」

ほどなく、会議から営業部長が戻ってきた。
そして、編集長もきた。
心を落ち着け、編集長に経緯を報告する。

編「は? なんで、こんな時期に念校なんて持ってったの?」

私「さ~。
  ちなみに、お金取れていないところです。
  どうしましょう。営業は、謝罪文を作ってくれって言ってますけど」

編「作ってあげたほうがいいでしょう。
  こういう間違いはよくあるものです。
  今後二度とないようにしますという感じで、私の名前で作ってください。
  チェックしますから」

私「はい」

しばらくすると、営業部長に呼ばれる。

部「なんで、こういうことになったの?」

私「この部分についてはあえて書く必要ないと思って、
  この部分については、赤字の意味というか、すでに書いてあることとの
  違いが見出せずに、直しませんでした」  

部「ってゆうか、単に漏れたってことだろ」

私「はい。
  で、編集長とお話して、謝罪文は作ろうということになっています。
  申し訳ありませんでした」

部「ん、でも、こういうのはまず誤りに行って、それで済むんなら、そうしとけよ。
  謝罪文持って行ってもいいけど、出さなくていいんであれば、
  出すなよ。出したら出したで、面倒なことになる可能性もあるし。
  向こうがそれでも、怒っているようなら、上司連れて来ますって言って
  帰って来い。
  でも、そんな大げさなことのように思えないけどな」

やっと話のわかる人たちが来てくれてよかったと、私はかなりほっとした。

クライアントのことを考える若い営業の熱意は十分認めるが、
クレーム対応の方法がわかっていない。
そして、責任をとる人間、そして謝罪文を出すことの弊害もわかっていない。
何より、担当者(まあ、私だから対抗できたからいいけど)をつるし上げるのは、
違う。これが、アルバイトの子だったら、泣いていただろう。
あなたに責任があると言わせたい勢いで責められたら、
泣いてすめばいいが、
「もう編集の仕事なんてしたくない。こんな職場で働く自信がない」なんてことに
なったら、取り返しがつかない。
そもそも、校正ミスがあるのは、ギリギリまで営業して、
タイトなスケジュールの中で校正する羽目になったのだから、
営業が責められた話ではない。
こういう時こそ、一緒に考えて、解決していかなければ、
営業と制作がギスギスしてしまう。
若い営業にはそこまでわかってないだろうな。

散々、大騒ぎしていたくせに、
3時ころ、若い営業君から電話が入って、
「クライアントのアポが取れなくて、あさってになりました!」
と。おい、おい、本当に振り回してくれる奴だな。
勘弁して。
by y.asd_xxx | 2004-07-08 03:34 | 闘ってます